薬師寺では10月31日まで東塔の内部が特別公開されています。
薬師寺は、近鉄橿原線西の京駅を降りてすぐの所にあります。
薬師寺は、天武天皇が680年に皇后(後の持統天皇)の病気平癒を祈願し、藤原京に建立を発願されたのが始まりです。
7年後、まだ寺が完成しないうちに天皇が崩御されると、皇后が持統天皇として即位され、亡き夫の遺志を受け継ぎ、698(文武2)年に七堂伽藍を完成させました。
その後、710(和銅3)年平城京に都が遷されると、薬師寺も718(養老2)年に、現在の地に移されたそうです。
藤原京にあった、元の薬師寺は現在、礎石だけが残されており、本薬師寺(もとやくしじ)と呼ばれ、国史跡に指定されています。
東塔(白鳳時代 国宝)
東塔は、創建当時から唯一現存する木造建築です。
これが薬師寺東塔です。
裳階(もこし)と言われる小さな屋根があるので、一見、六重塔に見えますが三重塔です。
この裳階は、雨水から軒下の木組みを守護するために配されているそうです。
アメリカの東洋美術評論家のフェノロサは、この塔を「凍れる音楽」と評したそうです。
この古建築を見ることができるのも、あと1カ月です。
11月以降はいよいよ解体修理にはいるため、しばらくの間(おそらく10年くらい)姿を見ることができなくなってしまいます。
さて、薬師寺の他の建物についてですが、
度重なる災害により、東塔を残してほとんどの堂宇は、失われてしまいました。
しかし、1967(昭和42)年に、故高田好胤和上が住職となり、写経勧進により資金を募った結果、
金堂(1976年/昭和51年)
西塔(1981年/昭和56年)
中門(1984年/昭和59年)
大講堂(2003年/平成15年)と
次々に伽藍が復興されていったそうです。
ラベル:奈良市