2010年11月27日

當麻寺中之坊の見所あれこれ

當麻寺中之坊=庭園といったイメージが強いですが、他にも見所があります。



書院入り口の前には、松尾芭蕉の句碑が立っています。



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「僧朝顔 幾死に返る 法(のり)の松」と書かれているそうです。



芭蕉が旅の途中、當麻に滞在していた時、(この旅の紀行と句を記したのが、「野ざらし紀行」)
當麻寺の境内に、樹齢1000年とも思われる松の木があり、用材として切られることもなく長寿を保っていました。

その木を見て、芭蕉はこの句を詠んだそうです。

寺の僧も朝顔も今まで幾代も死にかわったであろうが、仏縁を得た松だけは、長寿を保っている。尊いことだ。という意味だそうです。



庭園の入り口手前には、中之坊の本堂があります。

中将姫がここで剃髪したことから、中将姫剃髪堂と呼ばれています。

また、本尊の十一面観音様は、道に迷った時に行くべき道を示してくださると言い伝えられており、「導き観音」とも呼ばれています。


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中之坊本堂 中将姫剃髪堂





元々、當麻寺は女人禁制だったのですが、中将姫は入山を請い石の上で一心に読経したと言われています。

その時の石が、


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中将姫誓いの石で、中将姫の足跡が残っています。





そのほか、


役行者が秘薬「陀羅尼助」を精製した時、水を清めて用いたと言われる,「役行者加持水の井戸」や、


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役行者加持水の井戸





茶筅に感謝し、護摩祈祷で供養した灰を収める茶筅塚や、

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 茶筅塚





毎年6月16日に「髪供養会」が行われる、髪塚があります。


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髪 塚





なお、寺宝が展示される霊宝館は、いつでも拝観できるわけではなく、客殿の絵天井と同じく、11月30日までの特別公開なのだそうです。



posted by チヨ at 15:24| 奈良 ☀| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月26日

當麻寺中之坊客殿の絵天井

當麻寺に行ってきました。



當麻寺の境内にある、中之坊では、客殿の絵天井が特別公開されています。



11月30日までです。



いつも何かとバタバタ忙しくて、ギリギリになってやっと見に行ってる私です。もうやだ〜(悲しい顔)



當麻寺については、以前2009年7月25日付 二上山の麓へ1に書きましたが、念のため簡単に書いておきますと、



當麻寺は、612(推古20)年、聖徳太子の弟の麻呂子皇子(當麻皇子)が、河内の国に創建した万法蔵院を、麻呂子皇子の孫の當麻国見が681(天武10)年に、現在地に移したと言われています。



この寺は、中将姫ゆかりの寺でもあります。



中将姫は、奈良時代の右大臣・藤原豊成の娘。

お幼くして実母と死別、継母にいじめられ、17歳の時、當麻寺で出家。29歳で、現身往生したと伝えられる人物です。

蓮糸を用いて、一夜で曼荼羅を編み上げたとも言われており、中将姫が編んだと言われる當麻曼荼羅は、本堂の本尊になっています。

ただし、原本は傷みが激しいので、現在本堂にはレプリカが掛けられています。



中之坊は、當麻寺で最古の塔頭です。

庭園の香藕園(こうぐうえん)は、鎌倉時代に起源をもち、江戸初期に後西天皇を迎えるために茶道石州流の祖・片桐石州によって改修されました。

国名勝・史跡に指定されており、また、吉野・竹林院、大和郡山・慈光院とともに、大和三名園の一つに数えられています。


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庭園から、国宝の東塔がよく見えます。

紅葉も、今が見頃でとてもきれいです。ぴかぴか(新しい)


また、上の写真ではよくわかりませんが、次の写真のように、



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池の水面に、東塔が映って見えて、非常に趣があります。



庭園を通り抜け、そのまま順路に従って行くと、客殿に到着です。

この客殿は、普段は、中将姫の姿を書き写す写経ならぬ写仏を行う人のみが通される部屋で、一般拝観者は入ることができません。

1300年祭を記念して公開されているのかと思っていたのですが、寅・午・戌年の秋にのみ公開されているのだそうです。

天井に描かれた絵は、昭和初期から平成に至るまで、多くの画家によって奉納されたものなのだそうです。

あまりにも絵の数が多いので、ずっと見上げて見ていると、首が痛くなりました。




客殿を出て少し行くと、右手に霊宝館があります。

ここには、寺の様々な寺宝が展示されています。



一応、これで一回りし、終わりですが、最初に拝観料を払う時に、別途お抹茶券を購入しておくと、重要文化財の書院に通していただき、抹茶を頂けます。

もちろん、書院のお部屋も拝見出来ますが、つきあたり奥は、護摩堂のため一般の人は入れません。



中之坊を出て、本堂から境内の様子を眺めていると、蓮花ちゃん発見!わーい(嬉しい顔)

手を振ったら、すぐに気づいてポーズをとってくれました。


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この蓮花ちゃんは、葛城市のゆるキャラで、中将姫がモデルになっているそうです。

せんとくんの恋人候補とか以前は言われてましたけど、今はどうなんでしょうか?




當麻寺アクセス   近鉄南大阪線当麻寺駅下車、徒歩15分








posted by チヨ at 14:33| 奈良 ☀| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月21日

今日で見納め 秋篠寺の大元師明王様

秋篠寺の大元師明王様の特別公開も、いよいよ今日で最終日です。



せっかくなので、最後にもう一度会いに行ってきました。



拝観時間は9時半からということだったのですが、9時半に着くように出かけたにもかかわらず、すでに境内には多くの人が・・・



中には、私が入るのと入れ違いに、帰っていく人もいて、一体何時に門があいたんだろう?って感じです。



お堂の中にも、すでに結構人がいて、明王様の前に並んでいました。



でも、しっかりお顔を拝見してきましたよ。



やっぱり、カッコイイです。黒ハート



それと、改めてよく見ると、目がパッチリ大きくて、どことなくかわいくも見えるんですね。



本当に、素敵でした。ぴかぴか(新しい)



大元師明王様は、基本的には毎年6月6日、一日限りしか御開帳されないし、その日に行ってもまた超満員で見れないかもしれないので、今日が見納めって感じです。



でも、またお会いできるといいな。
ラベル:奈良市
posted by チヨ at 15:28| 奈良 ☁| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

葛城の道4 高鴨神社

最後に、高鴨神社へ行きました。



高天彦神社から高鴨神社までバスで移動。乗車時間11分。



またまた、神社のすぐ前に止まってくれました。







高鴨神社は、鴨一族の氏神を祀る神社です。



京都の上加茂神社や下鴨神社の総社にあたる神社です。



春のニホンサクラソウでも有名です。



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 高鴨神社



神社の隣には、葛城の道歴史文化館があります。



ここは、土産物を売っていたり、遺跡の出土品が展示されていますが、トイレもあり休憩所として利用できます。



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高鴨神社は、今回初めて行ったので、写真は今年のものです。
ラベル:御所市
posted by チヨ at 15:12| 奈良 ☁| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月20日

葛城の道3 高天彦神社

次は、高天彦神社へ行きました。



ここからは、バスで移動。



一言主神社から高天彦神社まで、バスの乗車時間は11分です。



バスは山道を登り、神社の前まで行ってくれます。



高天彦神社の鎮座するあたりは、天照大神が治めた高天原とされている地です。



祭神の高皇産霊神(たかみむすびのかみ)は、葛城市の最高神とされています。



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 高天彦神社拝殿
ラベル:御所市
posted by チヨ at 19:46| 奈良 ☁| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

葛城の道2 葛城一言主神社

続いて、葛城一言主神社へ行きました。



九品寺から一言主神社までは、バスを使わず歩いて行くことにしました。



この間ずっといわゆるあぜ道が続きますが、非常によく整備されていて、歩きやすいです。



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分岐点には必ず道標があって、道に迷うこともありません。



ハイキング初心者でも、比較的楽に歩けます。



ただ、シーズン外に一人で歩いていてら、少しさびしいかも・・・



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途中に「綏靖天皇高丘宮跡」の石碑が立っています。



現在は、石碑が立っている以外何も残っていませんが、この辺りに綏靖天皇の宮があったとされています。




九品寺から歩いて15分ぐらいで、一言主神社に到着です。







葛城一言主神社の祭神は、一言主大神。

この神は、「古事記」によると、雄略天皇が葛城山で鹿狩りをしていた時、天皇と同じ姿で現れ、天皇が名前を尋ねると、

「吾は悪事も一言、善事も一言、言離(ことさか)の神、葛城の一言主の大神ぞ」と答え、その後天皇とともに狩りを楽しんだと伝えられている神です。

一言の願いならなんでも聞いてくれる神といわれており、地元では、「一言さん」の名で親しまれているそうです。



この神社は、紅葉の名所としてもよく知られています。



特に、境内の樹齢1200年とも言われる大きなイチョウの木は、「乳イチョウ」と呼ばれています。



なぜこのように呼ばれているのかというと、写真のように、



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女性の乳房のように見えるふくらみがあるからだそうです。



この木に祈ると、母乳の出が良くなるとか、子どもを授かるとか言われているそうです。



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 紅葉真っ盛りの乳イチョウ



この写真も去年撮ったものです。



去年は、紅葉の一番見ごろな時期に行ったので、今年よりもきれいな写真がとれました。



なので、去年の写真をアップしておきます。




ラベル:御所市 葛城の道
posted by チヨ at 15:23| 奈良 ☁| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月18日

葛城の道1 九品寺

この前の日曜日(11月14日)は、葛城の道を散策してきました。



実は、このことを先に書きたかったのですが、少しずつ分けて書いていると、途中で秋篠寺の話を間にはさむことになってしまうので、あとから書くことにしました。




葛城の道とは、奈良盆地の西側、金剛山や葛城山の麓を南北に走る古代の主要道路のことで、途中には、九品寺や葛城一言主神社などの名所があります。



去年から(だと思います。たぶん?)10月と11月の土、日、祝日のみ、近鉄御所駅から奈良交通の臨時バスが出ていて、普段は停車することのない葛城の道の名所付近で乗り降りできます。



バスの中で添乗員さんから一日フリーパス(大人 500円 小人 250円)を買うと、何回でも乗り降り可能です。


ごせ葛城の道一日フリーパス.JPG

 一日フリーパス



このバスは、御所駅を出発して、九品寺、葛城一言主神社、高天彦神社、高鴨神社、船宿寺(船路バス停)を経て、終点かもきみの湯まで行きます。



まず最初は、九品寺に行きました。



バスは、九品寺に近い国道沿いで停車しました。



ここから、九品寺へは歩いて5分ほどです。



九品寺は、聖武天皇が行基に開かせたと言われる古刹です。

地元の城主・楢原氏の菩提寺でもあります。

境内奥には、千体石仏があります。

これは、南北朝時代に、楢原氏が南朝方について北朝と戦った時、楢原氏の家族や地元の人々が身代わりに奉納したと言われ、「身代わり石仏」とも呼ばれているそうです。



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九品寺の千体石仏



実は、九品寺と後日書く予定にしている一言主神社、高天彦神社には去年も行ったのですが、今回よりも去年撮った写真の方がましなので、去年のものをアップしておきます。
ラベル:御所市 葛城の道
posted by チヨ at 14:08| 奈良 ☁| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月17日

秋篠寺の秘仏・大元師明王

昨日は、秋篠寺の秘仏・大元師明王様に会いに行ってきました。



秋篠寺は、776年(宝亀7)年に光仁天皇の勅願で善珠大徳が開基、桓武天皇の平安遷都のころに完成したと言われていますが、地元の豪族秋篠氏の氏寺だったものを勅願寺にしたという説もあるそうです。




創建当初は、法相宗でしたが、平安時代に真言宗、さらに明治時代には浄土宗に属していましたが、現在は、単立宗教法人として特定の宗派に属していません。



秋篠寺というと、なんと言っても本堂に安置される伎芸天像が有名ですが、大元堂に安置される大元師明王の霊験が有名になり、かつては真言密教の道場として、隆盛を極めたのだそうです。



大元師明王像は、毎年6月6日、1日限り開扉される秘仏なのですが、今回平城遷都1300年を記念して特別に11月8日〜11月21まで公開されることになりました。



実は、6月6日に秋篠寺に行ったのですが、午前9時少し過ぎた時点ですでに長蛇の列ができていたのです。



11月に特別公開されることを雑誌等で調べて知っていたので、その日はあきらめて帰りました。



そして、ようやく今回お目にかかることができました。わーい(嬉しい顔)



第一印象は、とにかくカッコイイ!でした。



大元堂を拝観した後で、本堂に入ると、大元師明王様の写真を売っていたので早速購入。



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これが、その写真です。



大元師明王とは、インド神話では、弱者を喰う悪者ですが、密教では大日如来の導きで善神に転身したとされています。

毘沙門天の部下の一人であり、明王のトップ。

その霊験は、不動明王に匹敵すると言われているそうです。

写真だと「怖い!」といった印象が強いですが、実物は、「凛々しくてカッコイイ!」と個人的には思います。

体中に蛇がたくさん巻きついていますが、左右対称にいて、一部例外もありますが、向かって右が口を開けた阿形、左が口を閉じた吽形です。

本来的に、この像は、大法大元師御修法(たいほうたいげんのみしほ)の本尊として、国内で唯一の像なのだそうです。

故に秘仏なんですね。納得!



本堂に入ると、本尊の薬師三尊像を中心に、十二神将、不動明王、地蔵菩薩、帝釈天(梵天は奈良国立博物館寄託)、そして有名な伎芸天像が安置されています。

本尊の薬師三尊像は、優雅であでやかな白鳳仏の薬師寺の薬師三尊像に比べると、素朴な感じがしました。

伎芸天像は、天平時代の乾漆像の頭部に、鎌倉時代の木造の体部をつないだものなのだそうですが、何の違和感もなく、非常に美しい、まさしく絶世の美女と呼ぶにふさわしいお姿です。

あと印象的だったのが、伎芸天像の左手奥に五大明王像が置かれているのですが、はっきり言って怖かったです。

不動明王様を中心に5体全部が目をひんむき、大きな口を開けて睨んでいるのです。

昼間でもお堂の中は薄暗いので、本当に怖かったです。がく〜(落胆した顔)



秋篠寺は、苔のお庭でも有名です。

最後に、お庭の写真をアップしておきます。



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ラベル:奈良市 秘仏
posted by チヨ at 12:33| 奈良 ☁| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする